【発達障害に関する用語】



アルファベット




エコラリア
いわゆる オウム返し

耳にした言葉をそのまま口に出す事で、
言われた事の意味が分からずに、その場で繰り返す 即時のエコラリア は、
障害の有無に関わらず、言葉を獲得する段階でよく見られます。

テレビ番組やコマーシャルなどのセリフを、
ある程度時間が経ってから繰り返すオウム返しは、
遅延エコラリア と言って、広汎性発達障害の特徴の一つです。

後者は、言葉の意味自体は理解しているのに、
正しい場面で使う力に問題がある場合に多く見られるようです。
言われている事や、答え方が分からない場合に、
とりあえずオウム返しをするケースもあります。

オウム返し
エコラリア

折れ線型自閉症
セットバック とも。

一旦出始めた言葉が、途中で消失してしまう現象。
多くは1歳半〜2歳半頃までに起こり、自閉性障害全体の約三分の一に現れます。


感覚統合障害
五感から得た情報が、脳の中でうまく処理されない状態の事で、
行動や発達そのものに支障が出ます。
広汎性発達障害や精神遅滞(=知的障害)、学習障害などの子によく見られ、
感覚の過敏性や鈍感性、多動や寡動、言語や発達の遅れなどが見られます。

感覚統合療法

感覚統合療法
療育 の一つで、 感覚統合障害 発達性協調運動障害(DCD)
低緊張 のある子供に行われます。
全身を使った遊びが有効で、トランポリンやサーキットなどの運動器具が用いられます。

日本感覚統合学会
おかあさんのための感覚統合療法(旭川荘療育センター療育園)

換語障害
単語はよく知っていて、喋る事も出来るのに、思った事を適切な言葉で表現する事が難しい障害。
広汎性発達障害の場合、語彙の量は比較的豊富なのに、
言語の概念化や操作性に問題を抱えている子は、高機能群でも多く見られますが、
換語障害と呼ばれるのは、その中でもかなり極端なものです。

グレーゾーン
障害の有無がはっきりしない状態の事。
一般的には、発達の状況が微妙で、診断名が付けられないケースですが、
医師により、若干の定義の違いがあるようです。

クレーン現象
要求をする際に、指さしではなく、大人の手を引っ張って目的を達成させようとする動作の事。
主に、言葉が出る前の段階に起こるもので、発達障害の子供によく見られますが、
定型発達の子供でも、8ヶ月〜12か月頃に一時的に行う事があります。
いずれの場合も、ほとんどが言葉が出てくる頃には無くなります。

自閉圏の子供が、幼児期に「〜と言って」など、
思った通りのセリフや回答を相手に言わせようとする事を、
言葉のクレーン と表現する人もいます。

軽度発達障害
広汎性発達障害・学習障害・注意欠陥/多動性障害のうち、
明確な知的障害を伴わない(概ねIQ70以上)ケースを、特にこう呼ぶ事があります。
しかし、発達障害の場合、抱える問題は必ずしも知能レベルに比例しない為、
誤解を招くとして、原則として現在は使われていません。

文部科学省

高機能自閉症(HFA)
本来は、高機能自閉症という診断名は存在しませんが、
いわゆるカナータイプと区別する為、便宜上使われています。

一般的に、三つ組みを満たしていて、尚且つ知的障害を伴わない(IQ70もしくは75以上)場合を指しますが、
高機能と言っても、広汎性発達障害としての症状が軽い人ばかりではありません。

また、いわゆる ボーダー(知的境界域、IQ70〜84) の人も含まれる為、
知的に特別優れているという意味もありません。
あくまで、知的障害の程度を表す中機能・低機能に対しての高機能という名称なのですが、
誤解を招きやすい為、名称の改善も検討されているようです。

高機能広汎性発達障害
(HFPDD)

この用語は、二通りの使われ方をするので、気を付けなければいけません。
医師が診断名として用いた場合は、大抵の場合、
"特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)のうち、知的に明確な遅れが無いもの(=高機能)"を指し、
書籍のタイトルでは、しばしば"高機能自閉症及びアスペルガー障害の総称"として用いられます。


サヴァン症候群
障害があるにも関わらず、音楽や絵画などに才能を発揮する人の事です。
特定分野の記憶力に優れた人も多く、
何年の何月何日は何曜日かという質問に即答出来る、カレンダーボーイなどが有名。
五感の過敏性や記憶形態の特殊性などが原因と考えられています。

サヴァンには二種類あり、
前者は 「天分のサヴァン」 と言い、 障害と比べて、特定の能力が秀でているケースで、
広汎性発達障害でおよそ10人に1人、 精神遅滞(=知的障害)でおよそ2000人に1人の割合で現れます。

後者は、健常な人間にも中々見られない能力を持つ人で、 「奇才のサヴァン」 と呼ばれますが、
こちらはかなり稀な存在で、100年間に100例に満たない報告例があるのみです。

いずれの場合も、ほとんどが大人になるまでに、その能力は消えてしまうと言われています。

視覚優位
聞いて理解する力を、見て理解する力が上回っている事です。
広汎性発達障害にしばしば見られ、写真や絵カードが効果を発揮するケースです。

聴覚優位

自閉的・自閉傾向
いずれも、自閉症とほぼ同義。
自閉性障害の症状が出現しているが、未診断の場合に使われます。
診断資格の無い、心理士や ST がよく用いるようです。

ジャーゴン
日本語にも外国語にも見られない、音の連なり。
俗に宇宙語と呼ばれ、定型発達の子にも初語の前後に見られますが、
発達障害の子供の場合、この状態が長く続いたり、ジャーゴンによる独り言を言ったり、
あたかも会話しているかのように音を発する事が特徴です。

発語を促す為に、子供の受信能力以上の事を一方的に話し掛けるなどした場合にも、
現れる事があるようです。

常同行動
くるくる回る、ぴょんぴょん跳ぶ、身体を前後左右に揺らす( ロッキング )、
手をひらひらさせるなどの行動を、反復的に行う事です。
広汎性発達障害や精神遅滞(=知的障害)のある子供によく見られ、
診断基準にも含まれています。
常に同じ動きをする事や、適度な自己刺激を受ける事で、安心を得ているようです。

重力不安
感覚統合障害 の一つ。
頭や身体の動きに対応する事が出来ず、強い不安や苦痛を感じます。
高い高いなどの急激な姿勢の変化を怖がったり、
ブランコなどの不安定なものを嫌がります。

セットバック現象
折れ線型自閉症


聴覚優位
視覚優位 とは逆に、聞いて判断する能力が、見て判断する能力を上回っているケースです。
アスペルガー障害に多く見られるようです。

低緊張
発達障害に伴うケースが多く、筋肉の緊張が弱い状態で、姿勢や歩行に問題が出ます。
低緊張のある子供は、疲れやすく、集中力も持続しない為、
学齢期以降、授業などで支障が出る場合が多いので、早期に療育を開始する事が大事です。

感覚統合療法 が有効で、
足首をしっかり固定させるハイカットタイプの靴 (asicsの SUKU 2 など)
を日常的に利用するのも効果があります。

ディスカリキュリア
学習障害の一種、計算障害の事です。

ディスグラフィア
学習障害の一種、書字障害の事です。

ディスレクシア
学習障害の一種、読字障害の事です。
表音言語を母国語とする欧米人に多く見られ、
トム=クルーズやイギリス王女なども、ディスレクシアである事をカミングアウトしています。

てんかん
脳に起因し、けいれんなどの発作を伴う疾患です。
広汎性発達障害や精神遅滞(=知的障害)と併発するケースがよく見られ、
発作の反復が、知的発達を妨げている事もあるので、
これらの障害の疑いがある、もしくは診断が出ている場合には、
必ず脳波検査などを受け、てんかん波が出ていないか確認する必要があります。
発作は、薬でコントロールする事が可能です。

統合教育
障害のある子供を、定型発達の子供と共に教育を受けさせる事で、発達を促そうとする考え方や制度の事です。
実現には、家庭・医師・療育施設と園・学校側との連携が不可欠ですが、
受け入れ側の理解や知識のレベルに差がある為、中々難しいのが現状のようです。

特別支援教育
普通学級に在籍する軽度発達障害児をも視野に入れた支援体制の事で、2007年4月にスタートしました。
一人一人の子供が、学習面において持っている個別のスペシャルニーズに対応し、
学習への参加を保障していこうとする考え方です。
この制度の施行によって、旧来の特殊学級は特別支援学級と呼ばれる事になります。


二次障害
障害の特性に合わせた対応をされなかった為に、
本来持っている一次的な障害に加えて、二次的な障害を発症してしまった状態。
チックや適応障害、鬱など、精神的なものを要因とした反応の他に、
行動障害、反抗挑戦性障害、行為障害など、
行動そのものに問題が出るケースもあります。


ハイパーレクシア
学習障害の一種、過読症の事です。
1〜2歳代で、文字や数字などを勝手に覚えてしまったりする為、
しばしば子供が障害ではない事の材料にされがちですが、
日常生活には支障をきたします。
広汎性発達障害の子に多く見られる為、視覚過敏が原因ではないかと考えられます。
文字が目に入ると集中出来ないので、本棚にカーテンなどの目隠しをする、
壁や冷蔵庫に何も貼らないなどの対策が必要になります。

発達性協調運動障害(DCD)
学習障害の一種。別名 不器用症候群

以下の分野のいずれか、または複数にまたがり、著しい問題を抱える障害です。
・粗大運動(全身運動)・・・筋力やバランスの調節が上手く出来ず、自転車、ボール投げ、なわとびなどが苦手
・微細運動(手先を使った動き)・・・手先が不器用で、折り紙が苦手だったり、はさみや定規などを上手に使えない
・協調性・・・目と手、もしくは手と足などの協調に問題があり、字を書いたりする事などが苦手

広汎性発達障害や精神遅滞(=知的障害)と併発するケースが多く見られます。

フラッシュバック
過去の出来事にも関わらず、あたかも今体験しているかのような状態になる現象。
時に激しいパニックも引き起こします。
広汎性発達障害は忘れられない障害とも言われていて、
このように、何年も前に体験したような不快な出来事を突然思い出しては、苦しむ事がよくあります。


療育
治療教育の略で、障害のある子をより生きやすくしていく為に行います。
子供が低年齢の場合、必ずしも本格的な訓練が行われる訳ではありません。
子供の発達レベルに応じて徐々に進められる事が望ましく、
発達障害の場合、下記のような内容で進められる事が一般的なようです。

・1歳代・・・母子関係の確立
・2〜3歳・・・遊びを通して発達を促していく。手遊び歌、身体を使った遊び、ペープサート、パネルシアターなど
・3〜5歳・・・徐々に、椅子に座る訓練を行う。マッチング、パズル、
作業療法(OT) 感覚統合療法 など
・6歳〜・・・本格的な 言語療法(ST) ソーシャルスキルトレーニング(SST) など
※身体的な障害を伴う場合は、1歳頃から 理学療法(PT) も行います。

療育機関で指導を受ける事も勿論重要ですが、
一番大切な事は、子供と接する周りの人間が、子供の弱い部分をきちんと把握し、
適切な対応とフォローをしていく事です。
家庭でも、療育的な対応を取り入れて、子供が過ごしやすくなるように工夫しましょう。
大抵の場合、療育の成果はすぐには現れません。
気長に、無理の無い範囲で続けていく事が大事です。

療育には、様々な種類の療法があり、
感覚統合療法 TEACCH ABA(応用行動分析) 認知発達治療 などが有名です。
中には、右脳教育や水銀除去などを看板に掲げた教室や療法もありますが、
基本的に「治る」と明言しているものについては、避けた方が無難でしょう。
発達障害は、現在の医学では治る事はありませんし、
療育とは、あくまで適応性を上げ、より生きやすくする為のものです。

療育手帳
都道府県が発行している、知的障害者の福祉支援を目的とした障害者手帳で、
地域によって 「愛の手帳」 「緑の手帳」 など、名称が異なります。
一部の地域(※)を除いては、知能検査において概ねIQ70以下の人に発行されます。
障害の等級区分やサービス内容は、自治体によって異なりますが、
基本的には、より重度の手帳を持つ人が厚い支援を受けられる仕組みです。
療育手帳はあくまで知的障害者に対する手帳なので、
たとえ発達障害の程度が重くても、知的障害を伴わない場合は支援が受けられません。
この為、日常生活に支障のある知的障害の無い発達障害者には、
精神保健福祉障害者手帳 が発行されます。

※横浜などでは、IQ90以下で尚且つ自閉性障害があると診断された場合には、療育手帳が発行されます。


DQ
発達指数。
新版K式発達検査、デンバー式発達スクリーニング検査などの発達検査で測ります。
発語が無くても実施出来る為、主に乳幼児に用いられます。

発達指数(DQ)=発達年齢(発達検査で求めた年齢)÷生活年齢(実際の年齢)×100
DQ100が、生活年齢相応となります。

検査は、複数の分野から成っていて、発達の遅れやばらつきが無いかどうかを調べる事で、
子供の弱い部分や、どういった支援が必要なのかを具体的に知る事が出来ます。

IQ
知能指数。
田中ビネー式知能検査、WISC知能検査などで求める事が出来ます。
また、ビネーの場合、他の検査よりも、10〜30程度高い結果が出る事が、しばしばあるようです。

知能指数(IQ)=精神年齢(知能検査で求めた年齢)÷生活年齢(実際の年齢)×100

・IQ115〜・・・高知能
・IQ85〜115・・・正常
・IQ71〜84・・・知的境界域(ボーダー)
・IQ50〜70・・・軽度知的障害
・IQ35〜49・・・中度知的障害
・IQ20〜34・・・重度知的障害
・IQ19以下・・・最重度知的障害

SST
ソーシャルスキルトレーニング。
他人とのコミュニケーション方法や、
円滑な日常生活を送る為の技術を身に付ける為のトレーニングで、
ある程度発達の年齢の高い、広汎性発達障害などの子供に行われます。

ST
言語聴覚士。 また、言語聴覚士の行う訓練の事です。

OT
作業療法士。 また、作業療法士の行う訓練の事です。

PT
理学療法士。 また、理学療法士の行う訓練の事です。









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