【広汎性発達障害(PDD)における社会性の障害の分類】

広汎性発達障害の人は、大きく4タイプに分かれます。
子供の行動のパターンなどを把握する上で、参考にすると良いでしょう。
但し、これらの分類は、流動的なもので、年齢や発達と共にタイプが変わっていく事もあります。



孤立型

重度、もしくは小さな子供に多く見られるタイプで、まるで、他人が存在しないかのような振る舞いをします。
呼ばれても来る事はなく、返事もしません。また、話しかけても答えません。
顔にはほとんど表情が無く、時々人を横目で見るだけです。
人がいても気付いていないかのように通り過ぎ、 床に座っている人があれば踏み越えようとさえします。
親が痛がったり苦しんでいても、同情したり関心を寄せません。
基本的に、周囲の人間に対して無関心で、相手にも気持ちがあるという事を理解出来ない為、
しばしば親や周囲の人間を物のように扱います。
反応に乏しいので、相手をするのが辛い時もあると思いますが、
彼らは、身体を使った遊びを大変好むので、
手をつかんでぐるぐると回すなど、ダイナミックな遊びを積極的に取り入れましょう。



受動型

このタイプは、自分から積極的に働きかける事はないものの、 他者からの接触は嫌がらずに受け入れます。
従順で、言われた通りに何でも行うので、 幼少時には遊びの仲間に入れてもらえるのですが、
大きくなると、つまらない子、何でも言う事を聞く子として、 しばしば仲間はずれにされたり、いじめの対象にされてしまう事があります。
また、教師からも、おとなしくて目立たない子と思われ、放置されてしまう可能性があります。
最も問題行動が少ないタイプと言われていますが、
学童期にいじめを受けた場合、思春期以降に不適応や二次障害が起こるケースもあるので、
集団での様子には、十分注意しましょう。



積極・奇異型

他人には積極的に関わろうとしますが、やり取りが一方的なタイプです。
高機能自閉症やアスペルガー症候群に多く見られますが、
相手の感情やニーズには全く関心を寄せず、あくまで自分本位の関わり方を貫き通すので、
他者からは奇異に見えます。
相手の反応を気にする事無く、自分の好む話題を延々と話し続けたり、
質問攻めにしてくる子供がいますが、まさにこのタイプの典型的な様相です。
中には、自分の好む回答の仕方で相手が応えるまで、
同じ事を繰り返し喋り続けるケースもあります。



形式ばった大仰な型

これは、主に青年期以降に見られるタイプで、
人付き合いのルールを、しばしば過剰すぎる程かたくなに遵守し、
親に対してすら、非常に礼儀正しく振舞います。
基本的に、語彙が豊富で言語能力の高いケースですが、
彼らも、TPOや場の雰囲気に合わせて言葉を使い分ける、という事は出来ません。



このように、一口に広汎性発達障害と言っても、表面的な様相には様々なパターンがあります。
しかし、障害の根幹部分でもある、 相手の気持ちを理解する事が出来ない (=相手に気持ちがあるという事を想像出来ない)状態は、
多かれ少なかれ必ず存在します。
厄介な事に、彼らは自分の抱えている対人的な部分の問題について、自覚する事が出来ません。
障害ゆえに、問題であると感じる事が出来ないのです。
周囲に指摘されて、初めて自分の感じ方が他人とは違っているという事に気付くケースも少なくありません。
けれど、何年、何十年と通してきた自分のやり方を、 変だから変えろ、といきなり言われても、それはとても難しい事です。
まして、本人には何が問題なのか理解出来ないのですから。
この事からも、なるべく小さい頃に障害を発見し、周りもその特性を理解し、 本人の生きやすいように導いていく事は、とても重要なのです。
様々な意見がありますが、たとえ軽度であっても障害が存在する以上、 早期発見、そして早期療育の必要性がある、と考えるべきでしょう。







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