【発達障害を取り巻く様々な説】



広汎性発達障害の原因

障害の直接的な原因については不明ですが、脳のいずれかに問題があるとされています。
部位については、はっきりとは同定されていないものの、
大脳辺緑系 及び 小脳 が関与している可能性が高いと言われていて、今後の研究が期待されます。

また、こちらも完全には解明されていないものの、 遺伝的要素 もあるとされています。
但し、同一の遺伝子を持つ一卵性双生児でも、障害の出現するケースとしないケースがある為、
単純に、遺伝子のみの問題ではないと考えられます。
この為、子供自身が持つ潜在的な要因に加えて、胎内にいる間や出産の際に、
何かしらの条件が揃う事で、初めて障害が現れるとする説もあります。
障害の発現率に、明らかな男女差がある事から、
染色体レベルでの影響も言われています。

ちなみに、以前は母親の養育態度に原因があるとする、
母原病 説が横行し、今でも少数ながらそれを信じる者もいますが、
全ての発達障害は先天性の障害であり、全く根拠はありません。
最近でも、 テレビ ゲーム 予防接種(水銀) 三角頭蓋 etc...
といった犯人が挙げられ、その度に多くの親が惑わされていますが、
民間療法などで根治したという話は皆無です。

高機能自閉症と
アスペルガー障害の違い

一般的には、自閉性障害のうち、
明確な知的障害を伴わないものを 高機能自閉症
初期に発語の遅れの無かったものを、 アスペルガー障害 と言います。

しかし、アスペルガー障害の中には、

・聴覚優位(WISCでの数値が言語性IQ>動作性IQ)
・図形(二次元)問題が苦手で空間(三次元)把握が得意
・右脳よりも左脳が発達している
・言葉の発達が通常よりも早く、言語能力も高い

など、一般的に自閉症の特徴と言われる

・視覚優位(WISCでの数値が動作性IQ>言語性IQ)
・空間(三次元)把握が苦手で図形問題(二次元)が得意
・左脳よりも右脳が発達している
・個人差はあるものの発語が遅れ、言葉が出た後も言語能力に様々な問題が残る

とは、全く正反対の様相を見せる人々もいる事から、
自閉症とアスペルガー障害は、障害の原因となっている部分がそもそも違う、
別の障害なのではないかとも一部では言われています。

なお、これとは逆に、高機能自閉症とアスペルガー障害を区別する事に意味は無いとする立場もあります。
その場合、自閉症スペクトラム障害、広汎性発達障害といった広義の名称が用いられる為、
似たような状態にも関わらず、患者によって異なった診断名が付いている、という事がしばしばあります。
複数の医療機関に掛かっている場合、同一人物に複数の診断名が付いているケースもあります。

父親が40歳以上の場合、
子供が自閉症になる確率が高くなる?

『父親が40歳以上の新生児、自閉症になる確率は最大で6倍=米研究チーム』

 AP通信によると、米マウントシナイ医科大学のエイブラハム・
ライヘンバーグ博士を中心とする共同研究チームは、イスラエル人を対象とした調査で、
父親が40歳以上の時に生まれた新生児が自閉症になる確率は、同年齢未満の父親の場合に比べて、
1.5〜1.6倍も高いとの研究結果を発表した。
同発表は4日発売の米精神医学専門誌「Archives of General Psychiatry」の9月号に掲載されたもの。
 同調査には1980年代に生まれた13万人のイスラエルのユダヤ人とコロンビア大学、イスラエルの大学
・学術機関の研究者が参加したが、父親が40歳以上の新生児は、
自閉症や関連の症例が30歳未満の父親の場合の約6倍で、30〜39歳の父親と比較すると1.5倍以上だった。
一方、母親については、高齢者で多少の影響を及ぼす可能性は排除できないものの、
子供の自閉症に与える影響はほとんど認められなかったという。

−2007年9月5日 ライブドア・ニュースより−


この研究については、調査の対象となったのが研究者である事から、
未診断の発達障害成人当事者が、通常よりも多く含まれている集団ではないか、
という可能性が指摘されています。
つまり、父親が高齢だったから子供が自閉症になったのではなく、
父親自身に何かしらの問題があって、結婚が遅れ、
生まれた子供も、親の性質を受け継いだのではないかという事です。
もしも、そういった事実が本当にあるとしたら、
これは、自閉症の遺伝性の解明に、非常に役に立つ調査結果になるのではないでしょうか。
(おそらく、研究チームの思惑とは全く別の方向ですが)

ADHD児の母親は喫煙率が高い?

『ADHD児の母親は喫煙率が高い』

この調査結果は、大阪・寝屋川市でADHDの子どもの診療にあたっている安原昭博医師が、
21日、京都で開かれたシンポジウムで報告しました。
6歳から16歳までのADHDの子ども167人の親にアンケートをしたところ、
喫煙率は、父親が70.1%、母親が46.7%で、
一般の親の喫煙率と比べると父親は1.1倍でしたが、
母親は2.7倍に高くなっていました。
妊娠中に喫煙していたという母親も34.7%に上ったということです。
ADHDは脳の機能の異常による発達障害の一つとされ、会場からは、
妊娠中の喫煙の影響を調べるため全国的な調査が必要だという意見が出されました。
安原医師は「母親の喫煙がADHDの発症に影響している可能性があると思う。
今後さらに大規模な調査が必要だが、結婚した女性には喫煙をやめてほしい」と話しています。

−2007年4月22日 NHKオンラインニュースより−


この件に関しては、母親にもADHDもしくはADDの傾向があり、
落ち着かないので喫煙をする率が高いのではないかという意見もあります。
妊娠中の喫煙が、胎児にとって有害である事は勿論事実ですが、
喫煙が原因でADHDになるという単純な話では、どうやら無いようです。









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